売上の公式
会社や事業における売上の公式をご存じでしょうか?業種や業態によって定義は指標は変わりますが、概ね以下の通りです。
売上=客数×客単価
当たり前のように感じるかもしれませんが、もう少し要素を分解していきます。
客数=新規顧客+既存顧客(-離脱顧客※)※サブスクや定期購入のビジネスモデルの場合
客単価=購買頻度×商品単価×購買点数
売上を分解することで、各要素で売上を上げるために必要な施策が見えてきます。
- 新規顧客:新規顧客を増やす
- 既存顧客:新規のお客様にリピーターになってもらう
- 離反顧客:顧客満足を高めて離反顧客を減らす
- 購買頻度:来店回数や購入頻度を増やす
- 商品単価:1商品あたりの単価を上げる
- 購買点数:1度の買い物で多くの商品を買ってもらう
例えば、ホワイトニングサロンを例に上記を考えてみましょう。
- HPの広告やチラシの配布、口コミによる新規顧客の獲得
- 金額やサービス内容で顧客満足を高めてリピートしてもらう
- 顧客が離れてしまう原因(金額、サービス内容、競合他社の出現など)に対する対策の実施
- 最もホワイトニング効果が高まる頻度の説明や、回数券の販売で来店頻度を高める
- コース料金の設定による高価格高品質サービスの提供
- オプションサービスの販売
では、売上の要素のうちWebマーケティング(主にSEO対策)で改善できることは何でしょうか。
それは、新規顧客の獲得です。
Web集客の視点で売上を分解すると、
売上=アクセス数×転換率×客単価となります。
アクセス数:HPやLP(ランディングページ)に訪れた人数
転換率:実際に商品を購入した割合(コンバージョン率ともいわれる)
客単価:顧客一人あたりの平均購入単価
SEO対策では主に、Webサイトのアクセス数を増やすことで新規顧客を獲得することを目的としています。
SEO対策で求められること
SEO対策は常にアップデートされていますが、2024年以降(現在)は以下の要点を意識して対策する必要があります。
●文字数について
コンテンツの文字数が多いほうが良いと言われていたこともありましたが、あくまで文章の内容が重要であり、文字数を意識する必要はないです。
●被リンクについて
被リンクはGoogleがWebサイトを評価する重要な基準の一つとなっていますが、重要なのは数ではなく被リンクの質です。意図的に被リンクを増やすような小細工は、ペナルティの対象となるため、絶対にやってはいけません。後述のE-E-A-Tを意識してコンテンツの質を高めれば、自然とあなたのWebサイトを誰かが参照し、リンクを貼ってくれるはずです。
●図表や画像、動画の使用について
コンテンツの基本は文章で作成するものですが、ユーザーにとって分かりやすいコンテンツを作成するためには、図表や画像、動画を使うことをお勧めします。ただし、Googleに何の画像か認識させるために、コンテンツ内の画像にテキストの説明文を埋め込むほうが望ましいです。
●E-E-A-Tを意識する
SEO対策では、Webサイトのアクセス数を増やすには、ユーザー(検索する人)にとって魅力的なコンテンツを作る必要があります。Googleは「検索品質評価ガイドライン」でユーザーに有益なコンテンツの評価基準に「E-E-A-T」を重視しています。
E-E-A-Tとは、「経験・専門性・権威性・信頼性」です。
経験(Experience)は、Webサイトの所有者の経験や実務で困ったことに対する解決策、もっとこうした方が良かったといった実体験です。リアルな体験は、ユーザーにとっても有益な情報であるため、Googleは重視します。
専門性(Expertise)とは、Webサイトのコンテンツが何かしらの分野に特化していることを指します。ある特定の分野にテーマが統一されていて、その分野に関する様々な問題解決を提示していたり、根拠となる専門情報が明記されているページが専門性が高いと評価されます。また、専門性はコンテンツの制作者も影響します。例えば、あるテーマに関する研究者であることや、資格を有していることが評価の対象となります。
権威性(Authoritativeness)は、そのコンテンツを第三者が信頼した情報と評価しているか?を重視しています。例えば、コンテンツが他のサイトやSNSで紹介される(被リンクの獲得)や自社サイトやサイトの運営者が他のサイトやSNSで言及される(サイテーション)と権威性が高いと言えます。Webサイト全体の権威性が評価されるには、多くの人にリンクを貼ってもらったり、言及される必要があるため、長期的な取り組みとなります。
信頼性(Trustworthiness)は、ユーザにとって信用できるコンテンツであるかということです。具体的には、Webサイトの運営者情報や企業情報、利用規約などの明示や、WebサイトのSSL化(https)などが挙げられます。
●YMYLに注意
YMYL(Your Money Your Life)は、ユーザーの金銭や生命に関わるWebサイトは、公的機関や病院などのページを優先的に上位表示し、個人の発信は下位にされる傾向があります。具体的なテーマは、医療や健康、美容、投資、金融、財務などに関するコンテンツが対象となります。ユーザーに重大な不利益を与え得る可能性のあるテーマにおいて、半端な情報を掲載することはGoogleにとってもリスクが大きいと考えれば、個人のWebサイトが下位表示にされてしまうことも理解できるかもしれません。私の個人的な意見としては、個人事業主や小規模な会社でWebサイトを運用する場合は、YMYLに関するテーマは取り扱わない方が無難と考えています。
まとめ
- SEO対策は、企業の売上アップのための新規顧客獲得に有効である
- コンテンツ制作はE-E-A-Tを意識しながら、ユーザーにとって分かりやすいページを作る
- ユーザーの金銭や生命に関わる分野は、避ける方が無難である
コメント